
曇り時々雨。
いつも行くカフェでぼんやりしていると
突然
「じゃあ早くそれを言いなさいよ!!!」とフランス人の男の人が日本語でそう叫んだので
びっくりして耳ダンボ、目が釘付けになってしまった。
お相手の日本人女性もすごい形相で睨み返しケンカ。
ケンカをしながらも、彼は彼女のジャケットを椅子へかけてあげていた。
えらい!彼!
私だったらここで「ありがとう」と言って笑顔になってしまいそうだ。
だけど事が重大なのか、その彼女は顔色一つ変えない。
そしてケーキを選びに席を立つ時も
彼女が通りやすいように、彼はテーブルを動かしてあげていた。
またもやえらい!彼!
今度こそ「ありがとう」と言って仲直りかなと思いきや
彼を置いてスタスタとケーキ選びに行く彼女。
そしてケーキが運ばれ、紅茶と一緒に召し上がれーという時、
少し変形したケーキも同時に運ばれてきた。
それはお店の人のおまけで「良かったらどうぞ少し型くずれしてるだけだから」とのことだった。
やったじゃん!これでラッキー!美味しい時間だよー!と全然関係ない私は嬉しく思った。
にもかかわらず
なんと彼女は
「なにこれ超小さいケーキじゃん!!!」という
今この瞬間に言わない方が良いであろう言葉を
がつんと叩き付けた。
さすがの彼も目は2倍に見開かれ、持っていたスプーンは手からこぼれ落ちる。
彼のリアクションが、あまりにもそのまんまの「絶望」を表現していて「お見事!」としか言いようがなく
私はついプッとあからさまに吹き出してしまった。(ごめんなさい)
その後の彼は口をへの字に曲げてぎゅっとくいしばり
紅茶を注ぎ一人そのケーキを食べていた。
私はもうその彼がお気の毒でかわいそうで
心の中で「がんばれー!!!」と応援せずにはいられなかった。
私だったらケーキが目の前にきた時点で
不機嫌から上機嫌へと一気に様変わりしちゃう。
歴代、私とお付き合いしてくれた彼達はその事をよく心得ていて
私がおこるといつも「何食べたい?」と言っていたっけな。
「食べ物でつろうったって、そうはいかないんだからね!」と言いつつも
おいしい物で瞬時に笑顔になる自分がいることは今も否定できない。
そしてその後彼はどうしたのかというと
もうひとつ同じケーキを彼女の為に注文してくれたのです!
なんてやさしいすぎるんだ。
さすがの彼女もその頃には機嫌が良くなり
二人仲良く同じケーキを食べていた。
漫画みたいだけど、今日はこんなことがありました。
たわい無いケンカ。
だけどそれがいい。
たわい無いケンカ。
だけどなんだかかわいらしい。
幸せの印のようなそのケンカ。
どうしても動の時間ばかり重要視してしまいがちだけど
静の時間も必要で同じくらい大事。
静があってこそ動が活きると思う。